「Φという名のもとに」   第1話 事件はTVの中で起きてるんじゃない、居間で起きてるんだ

「Φの隠し映像が、わたしが持っているDVDにも入っている」

「しかもチョメチョメだ」




という情報をいただき、「わあー気になる!」と思っておりました。




ちょっと仕事の関係もあって見に行ってきた展示会から帰り、だんなが帰ってくるまでの間探していました。

「隠し場所はどこですか?」と友達にメールしましたが、
「自分で探したほうが見つけたとき嬉しいやろ」と教えてはくれませんでしたので、自力で探すことになりました。




しかしいくら探せど見当たりません。

早送りしたり巻き戻ししたり、一時停止してみたり…。



でも、わかりません。



そうこうしているうちに、




「なにしてんの?」




ただいまー、とだんなが帰宅。


狂い始める歯車、そして怪人ナンデマンが登場するのです。













「なにしてんの?」という問いかけに一瞬躊躇するわたし。





わたし「あっ!いや、別に、なにも!」

だんな「なにかみてたの?」

わたし「いや、観てはいないんだけど…」



そう、観てはいないのです。




「じゃーなにこれ?」とテレビを見て問うだんな。





どうしよう…何て言おう…キンキのキスシーン探してまんねん!なんて…言えない…どうしよう…







よし、ここは流そう。









わたし「今ね、キンキのDVD再生してるんだけど、どこかに隠しメッセージが入っているらしいのね。
    でも、どこに入ってるかわからなくってさ、今それを探してたところなんです。
    でも、見つからないからまた後にする。」


「ごはんにしましょう」とキッチンに立とうとするわたし。










だんな「おれ、探してやるよ、そーゆーの得意」








そんな「探してやる」という言葉に、安易に「ありがとう」と言いリモコンを渡すわたし。

このときは、探したあと一緒に観る、というふうにはならないと思っていたのです…。










ご飯を食べながら、「ないなあ…」と隠し映像を探す夫婦。

平和です。
































しかし、その平和は、私の放った「ファン」という3文字であっさり崩れます。

そして、お酒を飲んで酔っ払っているだんなは、いつになく饒舌で、熱かったのです。



































だんな「あ!おい、これじゃないの?」




赤く光るアレ。


クリック。






だんな「ほら!」




発見!!!!!





画面にはMCなんちゃらの文字が3つ。




だんな「なんだー、こんなところにあったんだー」



「ありがとう、では、見つかったことだし、DVDを消してご飯を食べましょう」
と、DVDを消すため、リモコンに手を伸ばすわたし。


















だんな「え?観ようよ。俺も興味ある。隠しメッセージ。」























まずい…。

やってしまいました…。

キンキのCMの映像とか言っておけば、ここまで興味を示さなかったかもしれません…。






どうしよう…。





………ごめんなさい、閻魔大王さま。

わたし今から嘘ついちゃうけど、死んでから舌抜かないで下さい。痛いから…。















わたし「これは、ファンの子だけ限定の隠しメッセージだからファンの子だけが観る
    ことが許されるので、あなたは見ることが出来ません!」




今考えればひどい言い訳です。

万人向けに販売されているDVDなのに…。















だんな「えー?俺、コンサートいったんだよ。俺も、ファン。観る。」


くっ…

わたし「ちがうの!これは、凄いファンの子じゃないと観ちゃいけないものなの!」


(↑言ってることはあんまり間違ってはないような気がします。)

だんな「何やねんそれー、ファンに凄いとか凄ないとかないでしょよ、それにお前より
    俺のほうが、たぶん歌、歌えるしー」






「だから俺も観る〜」とリモコンを奪うだんな。

「いや、ちょっと、待って!!」とリモコンを奪い返そうとしますが、










MCなんちゃらの一番上を再生してしまいました。









わたし「あっ!あー………」




「なに、これ?」

写ったのはステージの風景とキラキラ衣装の二人。






だんな「メッセージ言うから、二人そろってすぐなんか言うのか思ってた…、ロールキャベツ冷えるよ」

もぐもぐ、ぐびぐびしながらTVにがっつり向くだんな。

いつもよりお酒を飲むペースが速いような気がします。










わたしもこのときは『あれ?キスじゃないじゃん、よかった!』と思ってました(このときは再生してすぐキスだと思ってたのです。)

そして、『多分、MCなんちゃらの他2つとかに入ってるんだろうな。だからこれ観たら隙を見て消しちゃえ。』と、
幸せな想像をしていたわけです。





































あのことを思い出すまでは。






























始まった映像には、若かりし頃のおふたりが映っており、お互いに今年の元旦の剛さんとの見た目の違いに驚きました。

この映像を見ると、剛さんの事を可愛いとおっしゃる方の気持ちが何となくわかる気がします。







だんな「お、これバースデーのコンサートか?いつ?」

わたし「2008年の元旦」

だんな「あーそうなんだー…、俺ら行った時とはまた違う雰囲気」

わたし「そうだねー」


ほのぼのしながら観ておりました。











そして、7tのバースデープレゼントが出てきます。




だんな「入浴剤??光ちゃんに???」

わたし「そうみたいだね、……あ!ほら、L●SHのだよ」


L●SHがよくわからなかっただんなに、L●SHのお店の説明をすると、男であのお店に入れるのは凄い!
と言っていましたが、そういえば、男性ひとりで来てるのは見たことがないかも。


だんな「つよし、光ちゃんがチョロっと話したの聞いて覚えてるなんてさあ、彼氏にしたない?」







ガフッ!!

箸噛んだ!!!








だんな「女の人って、こういうマメな人が好きでしょ?」


び、びっくりした…

わたし「好きっていうか、もてるよね……今、Yくんが彼氏にしたいのかと思ってびっくりしたわ…」

だんな「何でやねん…つよしやで?光ちゃんだったらまだしも」


このひとおかしい。

元旦剛さんに叫ばされてから絶対おかしい。



まじめな顔のわたしに、

「お前、冗談も通じんのかい!」と言われましたけども…。






おかしいままプレゼント論。

だんな「や、東●とか高●とかが、欲しい物言ったとしても俺覚えてないもん。
    それに、なに欲しいかわからんし、聞いたら絶対「カノジョ」言うでしょ。
    結局、いつもあたりさわりのないものか、ウケ狙ってシモに走るかのどっちかになる。
    つよしさ、覚えとって、しかも専門店で買ったって凄ない??」


「そうね……」

だんな「それでさ、買うときって必ず相手のこと想像しない?」


「そうね…」



だんな「でしょ?だからさ、光ちゃんにはこれがええなって思って買ったってことでしょ?
    俺、プレゼントの内容より、買うときに、俺のこと思ってくれたんだっていう気持ちが
    嬉しいの。嬉しくない?だからさ、こんなことされるとさ、ほれてしまうよね、女の子。」




やっぱり言っていることが、まともなようでまともじゃないですよ。

乙女だし…口数多いし…だんだん訛りがひどく…アルコール怖いです…。
























あれ?





















そういえば?





















確かいつぞや拝見したブログに「バースデープレゼントを渡したあとちゅう」って書いていたような気が…











































こ れ は ま ず い の で は な い か ! ! ! ! !



警報発令!警報発令!ぱおーん!ぱおーん!



































わたし「Yくん!おトイレ行きたくないですか!!」







焦ると人は何を言い出すかわかりません。









だんな「ええ?別に行きたないよ、あ、ほらあけてるよプレゼント」










やばいやばいこれはやばいこれはこれはやばいやばいやばいよこれはほんとにやばいやばいやばいこれはほんとにやばいやばい















こういちさん「年明け一発目のキスが長瀬だぜ、おれ」

つよしさん「ああ〜…そうか…」

こういちさん「がっかりだよお(満面の笑み)」

つよしさん「おいおいおい」





















































!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!わああああ!!!!!!!!!!あわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!





















……………………………………………………………………………。


















わたしの喉の奥の悲鳴とテレビから聞こえた悲鳴。

目が点…いや目がΦの字みたいになりました…。



ああ、これが皆さんがいっていたキスですか……ははっ………相当、相当なものですね……。



きたえーるでは確かに間近で観て、黄泉の国から還ってくるのに時間はかかったのですが、

こんなにアップで観たわけではなかったので、あまりの臨場感に無声映画のように膝を折って泣きました。















静かになる室内。


ロールキャベツを咀嚼する音だけがひびきます。








事故です。


しかも予期された事故。


赤信号をわざと突っ込んで、正面衝キスです。


もうだめだ…怖くてだんなを見ることができない…。














向かいから低い笑い声。


だんな「っふふふふふ…何してんねん、つよし。これキスちがう?」

わたし「……キスですね」

だんな「っふふふ…キスやんなぁ?」

わたし「……キスですよ」




会話までおかしい。

こんなに一日の会話でキス連呼した日は今までに無いです。





「いやー、お客さん盛り上がっていて面白いなあ!」となぜかご満悦のだんなでしたが、


だんな「でも、今、別にするとこ違うよね?」



え?






だんな「今なんでキスしたんだろ…?今、別にしなくても良かったところと違う?何で?」


でたな、怪人ナンデ(何で)マン。



わたし「わかりませんよ…気分じゃないですか…?」

だんな「いや、だって、お前北海道は気分のってたからやって言ったじゃん。今まったくのってないよ?
    別に今しなくても…ええやんなあ…?何でやろ…」




確かに。

そういわれてみると、きたえーるではつよしさんのテンションがあがって…という説明がつくけれど、
これはなんなのだろう?






悩んでいる間もMCは続き…





だんな「初っ端長瀬?二発目つよし?されすぎー。まだ元旦なのに、いつされてん?
    こーちゃん、どんだけ無防備なん…されすぎ。」



そういえば、長瀬さんにいつされたんだろうね…

光一さん…確かにされすぎだね………

なぜそんなにされてしまうのだろう………?























「その二人からのキスはすげーけど、いらねーな!」と言って笑うだんな。楽しそうです。

笑っていると、画面から「もう一回」コール。


















だんな「おい、もう一回ってあおってるよファン!めっちゃおもろい!!!ファン熱いなあ!!!」



「キスあおるなんて、そんなファンいないよなあー」と、面白そうに画面を見つめる赤い顔のナンデマンの横で放心状態のわたし。




















ほ ん と で す か 



一回だけだよね?

あれブログには…あれ?一回しか…?







え?




も う い っ か い な の ?












ああああああああああああああああ、剛様りっぷ塗ってる!!



なんで入浴剤の中にりっぷ入ってるの????



つよしさまこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいつよしさんこわいこわいこわいつよしこわい















だんな「ちょお、ふふふ、光ちゃん、にこにこしとるで!つよしやる気満々なのに!」

















「やる気満々☆」って…だんな君…。

でも、「何やねんこの二人、めっちゃおもろい」とご満悦過ぎるだんな。



























つよし様「よし、準備はいいか」


















よくない。

よくないですよ、剛様。

わたしの心が準備できていない。























つよし様「目をつぶれ」

こういちさん「めっちゃこわい」

つよし様「早く目をつぶれ!準備はいいか」

だんな「んはは!光ちゃん、おかしい!!目ぇ閉じてるよ!」



























い や 


な ん で 


ど う し て 目 を 閉 じ る の さ 


今 か ら さ れ る こ と わ か っ て る で し ょ 













ああ、やめて剛様…


なんで、何で逃げないの光一さん…




っこ、光い…













































!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?









































テレビからの悲鳴とわたしの声にならない悲鳴(本日2回目の大サービス)。













































だんな「うわあ〜……あっはっはっはっは!これは…これは…ええの!?」
















…わたし、ブログで何を見ていたのでしょうか。



こんなのあるって

こんなのあるって



見なかった私が悪いのね…





あああああ…映像はいろんなものを軽く飛び越えてきます…


















だんな「何か…、あれだわ。あの、…ほんまに何で光ちゃん逃げへんねん」

わたし「………」

だんな「なあ?」

わたし「………知らんよ…」




あまりの出来事にテンションが上がったのか、アルコールが言語野を麻痺させたのか、
デーブ・スペクターさん並にしゃべり始める男。



だんな「いやあ、つよしやりおる。でもこれ、ほんまにええのか?俺は大丈夫だけどさ、見た人見たらそう思ってしまうよね。
    なあ?だって口だよ?光ちゃんも逃げないし、目ぇ閉じるし…。「いらん」言うことは、されること想像できたわけ
    でしょう?何で逃げないの?あかん、わからん。ねえ?仕事やから?でも仕事なら、もっと別のときでもいいよね。
    堂本兄弟とか。」






















シナプスが一気に何億個か逝ってしまったから、怪人ナンデマンとは闘えそうにありません。

でも、ナンデマン、地上波ではNGでしょうよ。


































つよし様「いやーおいしい唇やなあ」


このお方の発言、何かもう…泣きたい。

そういえば、きたえーるのときも、「いい唇納めができた」って感想をいっていましたね……泣きたい。




こういちさん「いま、リップクリームのにおいがすごいもん」

つよし様「えーやないか、おまえ、今日四六時中おれのこと思い出せるやないか」



ああああ、もう剛様本当にごめんなさい。

年上ですけど、言っちゃうよ。










キミは、何を言っとるんだね!!!!!!!!!!!!!!










だんな「おいしい唇…、よくそんな言葉すぐ出てくるよ。いやー、おもろい。
    でもさ、ライブ中ははずっと隣にいるのに思い出させる必要はないよね。
    つよし、香りでずっと光ちゃんに意識させとくって、魔法かけられたみたいだよね…光ちゃん大変だね。」




…あなたもよくそんな言葉出てくるよね…

魔法って…まほう…パルプンテ


だんな「今年一回目の口のちゅう、つよしやろ?2回目の人かわいそう」
    


2回目の人かわいそうって………










そのあとは、何かわからない箱を開けて二人で盛り上がっていました。

だんなも「何やろこれ」といっていたのですが、残念ながらわたしにはわかりませんでした。

もうこのあたり、プレゼントの中身なんてどうでもよくなってきていました…。






「色紙はねーのか?」



「キスしたやないか」



「……した」






色紙の代わりにキスって、どんな二者択一なんですか?

つよし様の色紙はキスに値する愛情表現だということなのですか?

それはそれでなんか恐ろしくなってきた…。






つよし様「まあ、でもちょっとあれやな、恒例にしていこか」

こういちさん「いらんいらんいらん!いらんよ、キスは!」





ふと何かを思い出したらしいだんな。

だんな「あー、だから元旦のときファンの人、恒例って言ってたんだ。え?それじゃ去年も?」

わたし「あー、そうだったみたいですよ……」

だんな「つよし、マニフェスト実行してるんだー。もう党首なったらええねん。」













「毎年コンサートでキスをします」というマニフェスト













何ですかその発想。

そのまえに、党首って何。



わたし「党首って……、誰投票するのよ……」

だんな「少なくとも、煽ったファンは票入れるでしょ」

わたし「………………………………」





「うわー、つよし、自分でかわいらしい言うとる…、ないわ…。いや、唇可愛いだけでキスしてよかったらそんな簡単な話はないよなあー。」




わたしもそんな簡単な話はないと思います。




「俺のくちびる可愛いから☆って、毎回キスされとったら光ちゃん大変やな。」




………………………………。







こういちさん「いやいや、きみの大事な人にとっておきなさい」

つよし様「ああ…、いや、それはね…」



























「YOUなんだよ」























































突然の終了。


画面が切り替わる。






突然の放置に呆気にとられるわたし。

なんか、ものすごくつかれた…。











だんな「いやー面白かったー。キンキすごいなあ。なんかあそこまでと思ってなかったから、感動したよ俺。
    …ところでこれどーしたの?買ったの?何のDVD?」

わたし「去年買いました…いちおうKinkiのコンサートのDVDです…」

なんか、ご飯少ししか食べていないのに、お腹いっぱいだ…。


だんな「あと、何が入ってるの?」

わたし「歌…」

だんな「じゃあ、せっかくだから観ようよ」

わたし「観るの?……あー…うん、もう…そうだね…観ますかね…」

だんな「それよりさ」

わたし「ハイ、何でしょうか……」

だんな「お前の言ってた、凄いファンしか受け取れないメッセージって何?」

わたし「…………………………」















そして、MCなんちゃらの2つと本編にうつります。






ああー…すいません。

ひとつの記事で終わらせようと思ったら、とんでもなく長くなってしまった…。悪い癖です。まだ続きますよ…。

皆様、ここまで読んでくださってありがとうございます。




何か書いていて、大女優イングリッド・バーグマンの言葉を思い出しました。

A kiss is a lovely trick designed by nature to stop words when speech becomes superfluous.

キスは言葉なんて要らないとき、本来、話を止めるように作られた素敵なイタズラね(はあと)


なんとなくそんな気がしたから…はっはっはっはっは……熱でてるときに文を作ったので誤字・脱字・変な箇所(多分殆ど変)
ありましたら教えてくださいね。